取調室のカツ丼

大学のゼミ、社会人の勉強会等で、相変わらず鉄板ネタなのが、「取調室でカツ丼は出されるか?」です(笑)

時代はだいぶ変わったのに、学生さんも反応してくれます。

もちろん、答えは「ノー」です。

利益供与に基づく供述は信用されず、証拠価値を失う危険性があります。逮捕拘留中の被疑者に支給される官弁も、取調室でなく、食事のためだけに、一旦留置場に戻ることとされています。もっとも、心理学的には、貸し借り的な感覚以上に、「生理的欲求の充足」に意味があると思います。

ちなみに、最近は、コーヒーも煙草もダメです。煙草については、昨今の「庁舎内全面禁煙」の流れも大きいですが、取り調べ担当の刑事さんも苦労されているようです。ホント、机を叩く取り調べも、煙草やコーヒーで一服しながらの取り調べも許されない時代になって、現場の刑事さん達は大変です。

あっ、別に、ここで刑事ドラマあるあるを論じようというのではありません。

生理的欲求について、ご紹介しようと思ったのです。

以前は、眠らせないで・・・とか、トイレを我慢させて・・・なんていう話も聞きましたが、これら生理的欲求の我慢は非常に苦しいものです。逆に、それが満たされると、人は寛容になる(心に余裕ができる)と言われています。

ですから、商談等でも、食事をしがてら、というのは、(美味しいものを接待費で食べられる、という浅ましい理由からでなく、)心理学的に理に適ったものなのです。

少し脱線しますが、以前、拙著「ゴネラーへの処方箋2」で、当時まだ少なかった「コンビニのトイレ」について、「(防犯上のリスクは否定できないが、)トイレで客を引き込むのもあり」と書きました。その時は、人は「何か買わなきゃ」と思うものだから、というのが主な理由でしたが、生理的欲求を満たして心に余裕ができるから、という面もあったのではないでしょうか?別に私が主張したからではないでしょうが、今では、ほとんどのコンビニでトイレが利用できるようになっていますね。

ちなみに、生理的な欲求を満たすことは、対人関係においてだけでなく、(言わずもがなですが、)個人的な精神衛生上も好ましいと思います。

いつもコンビニ弁当で済ましたりするのではなく、気の合った仲間と美味しいものを食べに行って気分転換をしたり、仕事で壁にぶち当たった時に、時間を惜しんで部下と堂々巡りな議論を繰り返すのではなく「今晩は早く帰って寝て、明日改めて!」とたっぷり睡眠を取ったり、というのは非常に大事なことだと思います。

生来、忙しくしていないと不安になる私自身、独立したての今月、ほとんど休みなく来てしまいましたが、昨晩、いつもより睡眠時間を取ったことにより、今日はすっきりし、色々なことが整理できた気がします。

いつも2時、3時に書いていたブログもほぼ今日中に書き終えられたので、今晩も早く寝て、また明日から頑張ります!